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フッ化物洗口の導入に向けて再考

先日、フッ素、クロルヘキシジンの医療効果について歯科医師、歯科衛生士を中心に院内勉強会を行いました。スウェーデンのマルメ大学で学んできたことを基盤に効果について文献等を調べ、発表しました。テーマが身近なフッ素だけにスタッフ全員、院内であらためて患者さんに何か取り入れられることはないか考えながら聴いてもらいました。

 当院、キッズデンタルパーク共通認識でフッ素については、ほとんどのスタッフが効果を認識し、日々の診療で患者さんに対してリスクに応じて勧めています。スウェーデンでもフッ素の効果は高く評価され、フッ化物上限濃度は約1500ppmと日本より高く、5000ppmの高濃度の歯磨剤も処方があれば購入することができます。また、フッ化物洗口に関しても多くの人々が効果を認識し、実施しています。

 フッ化物洗口は、簡単で専門的な技術を必要とせず、かつ安全でう蝕予防効果の高い方法です。永久歯が萌出し始める4、5歳から14、15歳の実施が効果的であり、また成人の歯頸部う蝕や根面う蝕の予防にも効果があることが示されています。スウェーデンでは一般的でありますが、日本では集団応用のイメージが強く個人的に使用している方は少ないように思います。

 しかし、フッ化物洗口の効果は高く、う蝕抑制率は30%~80%とフッ化物配合歯磨剤(20%~40%)より高いという報告があります。また、0.2%フッ化物洗口を3年間実施した結果、隣接面カリエスの発生に関して抑制する効果があることが示されたエビデンスもあります。

 スウェーデンと日本では文化も異なり、予防歯科においても人々の考え方に違いがあることが考えられますが、今回のスウェーデン研修を通じて日本で取り入れられることの一つとしてフッ化物洗口があり、 患者さんに勧める予防プランの一つとして院内で取り入れみてはどうかと考えました。

 そのためにはもう一度フッ化物洗口について見直し、リスクに応じて勧め、効果があることを患者さんに伝えることができる必要があると考えます。

 実施するかどうかは患者さん自身が決めることだと思いますが、口腔の健康を維持するために必要であるものを提案し、実施したことによる効果を伝え、使用を促すことは衛生士としての大切な仕事の一つであると考えます。そのために日々学ぶことを惜しまず、今回のように研修や勉強会等を通じて院内でさまざまなことを取り入れていけたらと思います。

 
歯科衛生士   佐久間  愛

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