静岡市葵区の歯医者・歯科なら静鉄・春日町駅にある麻生歯科クリニック

静岡市歯科医師会会長の宮城先生は、静岡市の歯科医師のトップとして氏が持てる能力を十二分に発揮され会務にご尽力されておられる。末端の歯科医師会会員の私は、たいした貢献もせず申し訳ない気持ちで一杯です。歯科医師会会長は毎月、全歯科医師に『会長便り』と称してFAXで情報送信し今回で37号目を迎えるに到るが、その文章構成力、会長としての公益の訴え方、ウイットに富んだ話題の提供の仕方等、素晴らしく、氏から勉強させていただくことが多い。流石、全国でも屈指の結束力を誇る静岡歯科医師会の会長である。

そんな会長便りに『市民の健康寿命を延ばし、豊かな生活に配慮した歯科医療の実践』を謳っていた。素晴らしい着眼点であり今後の歯科医療の在り方を問う文筆であった。素直に感動した。
現在、日本歯科医師会では『８０２０』という健康目標（？）があるが、達成にむけての現場の医療機関での具体的な行動指針や医療戦術は皆無であるといっていい。言葉だけが独り歩きしている感が否めない。あえて歓迎されない言い方で言うと、この医療業界では『マネジメント』や『戦略』という言葉の評価は低い。ただし本当に目指すべきのものが何か、という問いかけに真摯に向き合い、答えるために『戦略、戦術』を駆使し遂行していくのは当然だといえる。

そこで、最近紹介された良書にあったので、ご紹介させていただく、昏迷極める歯科医療界において、本書の役割は重要味を増す。

経営学に戦略という発想を持ち込んだこの分野の世界的権威といわれ、全世界の経営者に最も影響を与えると言わしめた大家であるハーバード大学教授　マイケル　E　ポーター先生の著書

【医療戦略の本質】価値を向上させる競争

医療政策が失敗した米国の理由を分析し再生への道筋を構築、医療ビジネスの真の在り方が示されている。7月の坂田市でのチームミーティングにおいて紹介され、この夏休み中に読破した。

医療にはマネジメントが必要である。言い換えて述べるが、
『腕の良い歯科医師』と『人当たりの良い歯科医師』のどちらが良いのか？　
『安価な歯科医療』と『良質の歯科医療』のどちらが良いのか？　

そのようなトレード・オフを無意識に設定し考え始める事は少なくないが、一方を追求すると他方が犠牲になるような両立しない関係でなく、驚くなかれ医療マネジメントの答えは『両方良い』のあくなき追求である。
つまり両立させるには、どうしたらよいか、何が必要かをひたすらに、考え組み立てていくことにあるらしい。　

では、当院の事に置き換えて、健康寿命を延ばす歯科医療の実践とは具体的にどのようなもので、どういう経緯や経過を踏まえ、どのような結果が生じているのか？

　現在７月中旬より後ろ向き調査中であるが、定期管理下でメインテナンスを受けられている直近2年約3000人弱の医療情報データから当院の健康歯科医療戦略の本質的価値の是非を説いてみたい。
9月には結果を公表できると思います。

麻生幸男