新年、明けましておめでとうございます。
本年も医療法人社団ワン&オンリー 麻生歯科クリニックを宜しくお願い申し上げます。
私事ですが昨年より『論語』に夢中になり、時間を見つけては読み続けています。私も気がつけば、まだまだ半人前ですが、四十近くになり昔読んだフレーズ『立つ』が思いしのばれるようになりました。
子の曰わく、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(した)がう。七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず。
先生がいわれた、「私は十五歳で学問に志し、三十になって独立した立場を持ち、四十になってあれこれと迷わず、五十になって天命をわきまえ、六十になって人のことばがすなおに聞かれ、七十になると思うままにふるまってそれで道をはずれないようになった」
自分の歯科医療学の探求はつきませんが、その考え方や医療観は惑わされる事がなくなってきたように思えます。私達医院の今までの道程は、少しは患者さんのために貢献してきたように思えてきました。
そのように思えるのは、この10年間の7000人弱の患者さんのカルテと疫学的記録データを追って調査すると、定期来院される60%以上の方々は、ほとんど歯を失っておらず、かつ新たな虫歯の発生も抑制されていることが確認できました。そう、虫歯や歯周病といった病気は防ぐ事が、管理して予防ができるのです。その反面、一部の高技術志向の歯科医療は診療コストの高沸を煽り、幾度か治療し修復された歯がダメージを負い、再治療を繰り返した結果、患者さん口腔の健康増進には寄与できていないことも医院のデータで分かりました。
私たちの歯科医療は、その場しのぎの、再発率が高い治療中心の歯科医療ではなく、患者さん別に応じた疾病発症のリスクを抑制する、すなわち予防歯科医療に重点をおいてきたものであり、その流れを変えず貫き続けた結果、多くの患者さんに支持されてきたことが確信を持って理解できました。
その予防の医療効果は小児予防歯科として、乳幼児からの予防歯科啓発として、ごく短期間で地域に根ざすまでになり、その奏功の早さに、またも再認識できました。
私たちは、発足させたNPO法人『明日の歯科医療を考える会』で自分達が数々の失敗をして試行錯誤して得た10年のノウハウや歯科医療の形を後輩や次世代の歯科医療関係者に、伝え広げていくことが使命であり、今までの患者さんの恩に報いる社会貢献の形であると思っています。
今年もご期待ください。
理事長 麻生 幸男